水引を結ぶ
慶弔の贈り物、さまざまな贈答に繰り返し出てくる「水引」ですが、そもそもなぜ水引を結ぶのでしょうか。水引は和紙をこより(細く切ってねじって状にしたもの)にして水糊で固め、用途に応じて染め上げたものです。日本には、古くから贈り物を和紙で包み、ひもでしっかりと結びとめる文化がありました。もともとは麻ひもだったものが、室町後期になってわしが作られるようになったと言われています。
水引には包みを結ぶ役割とともに、一度ほどいてしまうと開けたことがわかるので、封げんの意味もあります。また、水引は結ぶことにより、「あなただけへの贈り物です」という、贈る側の気持ちもこめられています。結び方は2種に大別され、結婚祝いには「一度きりで繰り返さない」を意味する「結びきり(真結び・本結び)」が、出産祝い・入学祝いには「花結び(蝶結び)」が使われます。